ただの事業担当者から見た世界

某私立大学理工学部→生体工学研究室→通信系研究所→通信インフラ会社(←いまここ)思ったことを徒然に書いていこう。

発電・送電事業の分離(3)-メリットの検証2-

他のブログに紹介されてトラフィックが急増してびっくりしました.
ありがたいのですが,稚拙な文章で申し訳ないです.

前々回前回では概要とそのメリットについての考察(前半:特に市場原理に寄る電気代金の値下がり)についてやりました.
前回はテンションが上がりすぎて一つの事しか書けませんでしたが
今回は
再生可能エネルギーの普及促進
・発電地域へ正統な対価が支払われる(地域型発電会社)
・参入障壁の低下(発電事業は参入障壁が低い)
・電力会社と政治・官僚機構・マスコミとの癒着の防止(電力会社が巨大な力を持たない)
について考えてみました.

再生可能エネルギーの普及促進】
まず,結論から言いますと.
発送電分離から「再生可能エネルギー」が普及促進になるかと言えばNOです.
それは何故か・・・・
市場原理にて再生可能エネルギーを普及させるためには
「経済効率性」又は「付加価値性」が現存の発電方法が上回ることです.
色々な機関が統計を出して各々の電力料金を算出していますが再生可能エネルギー補助金なしでは既存の発電方法には勝てません.なので「付加価値性」については「高くても再生可能エネルギーを使いたい」と思う人の数ですが,電気についてはそれ自体の「質」は変わらないので(配電される電気の事)ただ「エコロジー精神」が「経済意識」を超えた時にしかその「付加価値性」は発揮されません.そしてそれが人口の大多数を占めるのも難しいでしょう.
しかしながら電力の自由化がなされた後,再生可能エネルギーが普及した国として「スペイン・ドイツ」が挙げられます.この国がどうして再生可能エネルギー普及したか
それは電力の自由化ではなく「全量買い取り制度」を初めとする「環境政策」にて普及していると考えられます.
つまり,再生可能エネルギーが普及するためには「発送電分離」は関係なく「環境政策」にて左右される.
ただ,発送電分離をすることにより「環境政策」がスムーズに行える面はあるでしょう.

【発電地域へ正統な対価が支払われる】
「正統な対価」の定義が曖昧ですが「発電した電気の売上すべてがその地域の所管する事ができると」考えてみます.
そして,この発想は発電所を地域の自治体や地元企業が運営することにより,利益を都市部の企業に移転されることなく全て地元に利益が落ちるというところからでてきます.
これは,地元企業や自治体にその発電所を運営する「能力」があれば恐らくそのとおりになるが
その設備を活用する事が出来る自治体や地元企業がどこの地域にもあるとは考えにくいです.
なので,全国画一的に言える事柄ではないが
条件を満たせば「発電地域へ正統な対価が支払われる」といえます.


【参入障壁の低下(発電事業は参入障壁が低い)】
現在の日本では高電圧部分については電力の自由化がされています.
では,それがどの程度の割合かと言うと日本の総電力使用量の63%電力自由化の対象となっております.
しかしながら,高電圧で安定性のある電力供給が現在のところ求められていることから必然的に大規模な発電所が求められその結果
鉄鋼メーカ・石油メーカなどのインフラ・人材・資金ある会社のみの参入になっています.
また現在のところ政府の環境政策がわからないなどを考えた場合はIPP(電気卸売業者)としての参入は旨みが少ないものと思われます. (低コストを実現した火力に対して重い税金をかけられる可能性や環境アセスメントの厳重化など)
しかしながら,電力の自由化が完全に行えれば低電圧部分,つまり小規模商店や一般家庭に対する電力供給の電力の自由化が進めば
分散型や小型の太陽光や風力の電力会社が誕生する余地はあるでしょう.
しかしながら,大きな盲点としては「電力の安定供給」でありそれを実現するには抜本的な「送電・配電網」の取り替えが必要となるでしょう.(再生可能エネルギーは概して不安定)
このようなコストを新規参入業者が払うのか税金で賄うのか問題がありますが
現在の状況で電力の完全自由化しても状況は大して変わらないが,政策的に進めて行けば十分参入障壁の低下は考えられる.

【電力会社と政治・官僚機構・マスコミとの癒着の防止(電力会社が巨大な力を持たない)】
これについてが現在の議論の中で最もウェイトが置かれている部分と思われ(国民感情的に),このような動機は不順であるという意見が経団連の会長から発言がありました.
今までは,コストや環境などの事を言っていたのだが突然「政治」がからみ
「政治」の為に「民間業者」が分解されるというのは,資本主義の国としては些か疑問を感じます.しかしそのような私信はおいておいて
発送電の分離で実際に「政治・官僚機構」そして「マスコミ」との癒着が防げるのだろうか.
このような癒着で問題となるのは,電力会社を監督する役割を持つ国とマスコミがタッグを組んでしまうことで電力会社に利益誘導されそれが市民に目につくことにならず.
さらに,安全性などの監督が甘くなる.という問題だと思います.
この力の源泉としては,やはり「莫大な金」です.
政治に対しては「献金
官僚機構に対しては「天下り
マスコミに対しては「スポンサー」
として,力を行使しその大きな力の源泉となる金の出元が
「規制業界」
という国の法令によって守られた限りなく高い参入障壁を持った市場を独占していることでしょう.
正直,発送電分離や電力会社の解体をしたからといってこれらの問題が片付くわけでもないと思っています.
ここで変わらなければならないのは「電力業界」だけではなく「国・行政」「マスコミ」全てが変わらないといけないんだと思いますね.
この問題は定量的な考えができないので私は苦手です.

消化不良の面も否めませんが,とりあえずは発送電分離の概要・メリットの検証についてはここで終わります.
次は発送電分離と共に語られる「スマートグリッド」とかそのへんを書けたらなあと思いあます.

今日は我が母校っていうか,在学校の野球の試合
是非ともW大学に勝って優勝を決めてもらいたいです.