ただのなにか

某私立大学(生体工学研究室)→通信系研究所→某Web会社(今ココ)思ったことを徒然に書いていこう。

科学技術論(はやぶさ編)

本日,私の大学で
JAXAはやぶさプロジェクトのプロジェクトリーダーである
川口淳一郎さん
の講演会がありました.

はやぶさは知っている人も多いでしょうが
幾多の困難を超えて地球へイトカワの岩石サンプルを持ってきました.
そのあたりの事はwikipediaニコニコ動画の方が詳しいので
そちらに譲るとします.

今回の講演会では講演者の卓越したリーダシップと
組織論や科学技術への考え方に衝撃を受けました.

川口さんは非常にユーモラスな方であり
とても話しを分かりやすく,面白く説明し
所々,政治ネタや宗教タブーを匂わせたりしてました

という事で少し,はやぶさの意義とかを聞いた感じのをまとめてみます.
【なんのためのはやぶさか】
はやぶさ小惑星のサンプルを持ち帰るのが最大の目的
小惑星は地球の中身を知る上で非常に有用な資料であり,地球の中身をより詳細に知ることで災害対策にもなる.
また,はやぶさ自身がイオンエンジンイオンエンジンを利用した地球スイングバイ小惑星への接近飛行制御などなど様々な技術的な実証実験を兼ねています.
むしろ,はやぶさプロジェクトはこれらの実験が主であったとも言われています.

【川口さんの科学への考え方のもと】
川口さんのボスの言葉ですごい共感できました.
「見えるものはすべて過去のものである」
「これまで学んだものはみな練習問題」
また,川口さんのことば?で印象に残った物
「技術より根性」
「運を実力に変える運動」
「アイディアでイノベーションを起こす」
「高い塔をたててみなければ新たな地平線は見えない」

【科学が科学を御する】
昨今の原子力事故についても見解を述べてました.
宇宙開発については失敗は許されないのは原子力事故についても同じだが
違うのはバックアップの仕方が宇宙開発の方が多重的に考えられている
最も重要なのは「技術に対して過信しない」という点でしょう

私から見たら結果論でしかないのだが
宇宙開発はエンジニアとサイエンティストだけで構成されるが
商用原子力に関してはテクニシャンが主な活動となる
語弊があるかもしれないがテクニシャンは新たな考え方ができるものではなく
マニュアルに乗っている事を忠実にやるため.予想外の事に対応できない
などという,商用化して研究段階を超えたからこその問題があったのではないかと考えたりする.

【2代目文化】
これも原子力にも言えたことだが
「2代目が1代目を超える」環境でないといけないという事である
2代目が1代目を超えるためには,既存の方法への「盲目的信用」をしデザインポリシーなどを理解していない点があり
能動的に考えなくても仕事をこなせてしまう
ただ,その技術を前身させるためにはデザインポリシーを理解し,使われていた技術を疑い再構成する視点がないといけない.
また,福島第一の壱号機はGEの原子炉をアメリカ仕様そのままでコピーして作ったため
対策が何もなされていなかった.
電源の多重化や高度化は少しのアイディアで出てきたはずなのが悲しい

何事にも「なぜ?」が必要であり
そのなぜ?を解決するには「現場」に足を運び「手」を動かすしかない
ほんとにそのとおりだとしか言えない

【1番ではないとだめ】
科学技術は「ローコストミドルリターン」を得る政策とはほど遠い存在であり
継続した豊富な資金が必要である.
また,技術の世界では1位以外は意味がなく
一番でないといけない.
「耳なしのせんべいをつくるな」
というありがたいお言葉

【政治関係】
政治家の目的は次回の選挙で勝つことであり
10年スパンでしか成果のでない科学技術特に宇宙開発には厳しい状況だ
日本がプレゼンスを保つためには,技術で走っていかないといけないが
その技術のブレークスルーも豊富な資金があって初めて可能である事をかんがえると
日本が変わるためには政治が変わる必要がある

【まとめ】
技術発展にはアイディアでイノベーションを起こすしかない
そのアイディアも現場で手を動かすことでしか得られない
マイノリティのかんがえ方ではなく「天邪鬼」であるべき

【ちなみに宇宙技術】
日本は宇宙開発はしてるが決して「大国」でもなければ「先進国」ではなく
宇宙技術に関しては「東洋の1島国」でしかなく「信用」はない
中国の宇宙技術の方が高く有人飛行をしている
だからといって日本が有人飛行をする必要はない.
そもそも,未だにロケットでしばりつけて宇宙に飛ばすなんて
まだまだ宇宙開発にはブレークスルーが起きていなく,ロケット以外のものを開発する必要があり
それが次世代の概念を作る.

色々,ためになる話しを聞いたのだが
上手くまとめられないのが悔しい・・・