ただの事業担当者から見た世界

某私立大学理工学部→生体工学研究室→通信系研究所→通信インフラ会社(←いまここ)思ったことを徒然に書いていこう。

放射線が人体に与える影響(3)

研究室の研究提案などてんてこ舞い状態から一服
まだまだ2年は長いと思いつつ出来ることはやろうと思う毎日です。

今回は「放射線はつまるところ安全か?」
について書こうと思います。

ちなみに私の情報のソースは放射線生理学などの医学方面からなので現在のセンセーショナルな市井感情とは違う俯瞰的なものを書きたいと思います。

【7】一般人への急性放射線障害(内部被曝編)
前回、一般人は外部被曝からの急性放射線障害についてまったく心配がいらないと言いました。
しかし内部被曝には注視する必要があるかもしれません。
内部被曝とは放射性物質を体内に取り込むことで内側から放射線を受けることでしたね。
外部被曝より内部被曝の方が注意しないといけないことも前回言いました。
では、内部被曝はどの程度でまずいのか・・・・
この辺は諸説ありますが、定性的な事実として
・妊婦(妊娠の可能性のある女性)
・乳幼児
が特に気をつけないといけません。
なぜならば、成長過程にある個体ほど放射線の影響を受けやすいことがわかっているからです。
端的に言えば「細胞分裂の激しい」「影響の出た細胞が分裂しうる」人たちが影響が大きいのです。
妊婦に関しては母体がまずいのではなく、中にいる胎児に対して影響が出てきます。
特に受精直後の胚の状態ではわずかな放射線で着床を阻害したり、最悪な場合は奇形児などを出産することになってしまいます。

しかし、それ以外の人
特に壮年期以上の人たちは放射性物質に対する耐性は強いといえます。
原発原子爆弾などで問題となる放射性物質ヨウ素ヨウ素甲状腺に集まる性質がる事は前回言いました。
そこで重要なのは、甲状腺の働きです。
甲状腺は代謝を司る器官であり、活動が比較的活発なのは30代までといわれています。
それ以降の人たちは一時的な放射性同位体ヨウ素を摂取しても影響は小さく。さらに日本人自体が慢性的なヨウ素過剰摂取状態であるためヨウ素の吸収量は少ないといえます。
しかし、これは一時的なヨウ素摂取の場合で慢性的摂取には注意を払うのがベストかと思います。

ただ、学問的には壮年期以降の人間に対する放射性同位体ヨウ素摂取による甲状腺がんリスクが有意に増加する結果は存在しないので、必要以上な反応はする必要はないでしょう。

【8】生物濃縮
巷では「いくら薄い放射性物質を流しても生物濃縮で高濃度放射線になる」という意見があります。
その上で生物濃縮について知っておく必要があります。
生物濃縮は。食物連鎖の過程を繰り返すうち、上位捕食者ほど体内での対象化学物質濃度が上昇する。(ウィキペディア
というもので、実はふぐ毒なども生物濃縮で得られた毒性です。
しかし、この生物濃縮は摂取する対象物質が排出される量より少ない場合におこり、尿などの対外排出機能により排出されにくい疎水性(溶けにくい)物質が大きく影響します。
ここで問題になるヨウ素は親水性(水に溶けやすい)物質であり、生物濃縮の影響は小さくなります。
ただ、もとの摂取する量が多すぎると排出が追いつかない場合がありそれが問題となりえるでしょう。
また放射性ヨウ素半減期が8日から生物濃縮というより生態系で上位捕食者にいくまでになくなっている割合も多くなります。
ニュースで話題になったのは「小女子」で下位捕食者であるがゆえに放射性ヨウ素が多く検出されたのでしょう。

確かに、放射性物質が垂れ流された現状から海洋資源を摂取するのはためらわれます。
市場に流通している海洋資源は基準値がクリアしたものであるため危険視する必要はないと思われます。

【9】端的に言えば現在安全といえるか(まとめ)
最後にまとめに入ります。
一番気になるのは「安全」についてです。
安全の証明は悪魔の証明を同じで、証明することは不可能と言えるでしょう。
そこでこれまで人間は「安全の基準」というものを概念的に設定し、この「基準」を下回れば安全と認識してきました。
しかし、その安全の基準は「核」に関して特に厳しいハードルを設けられ
それに応えるために「誇張」した「安全」を主張してきました。
そしてそれが裏切られたための混乱ということができると思います。
ただ、現在の政府が主張している事は「医学的」「生理学」的には全うな事を言っており
有意」な差が出ない値を「閾値」として設定して基準値としてます。
私は、基準値を超えていないものを摂取しても「疾病リスク」が高まるとは認識していません。
もし、がんになったらそれはその食材を摂取していなくてもがんになったのでしょう。
それが統計上「有意」の示すことだから。

3回続けて書いてて
「政治」「行政」「企業」に対する事はまったく書いていなく、なるべく客観的事実と科学的(特に医学・放射線生理学的見地)に徹しました。
政治・行政・企業に対して「不信」が募っているのが現在の混乱の引き金になっていると思っています。
反原発運動をするのも結構ですが、そのような人たちを含め日本人が「賢い国民」になることを私は一番望みます。


The ignorance of one voter in a democracy impairs the security of all.
「一人の有権者が民主主義に対して無知であることは、あらゆる安全を低下させる。」
-John F. Kennedy