ただの事業担当者から見た世界

某私立大学理工学部→生体工学研究室→通信系研究所→通信インフラ会社(←いまここ)思ったことを徒然に書いていこう。

放射線が人体に与える影響(2)

こんばんわ
昨日(1)って書いたのでその(2)を書きます.

昨日は
1.放射線は細胞異常をきたす
2.遺伝子異常は癌を誘発する
3.内部被曝と外部被ばく
について話しました.

では早速続きを書いていきます.

4.癌以外の放射線が誘発する障害
放射線は癌以外に人体に対して悪影響を与えると言われてます.
実際に東海村JOC臨界事故(1999)では死者が2人でました.
それは,当然ながらガンではなく急性放射線障害というものです.
この事故についてのレポートを読んだことがありますが,事故当日は吐き気と意識障害だけでしたが
日に日に病状が悪化していき,皮膚がただれ皮膚移植するも定着せず苦しみながら死に至りました.
その時,腸を主に内臓がただれていたと言われています.
これらは中性子線などの放射線が細胞の染色体を一気に壊したことが原因です.
前回話したように,染色体異常が発生すると細胞は増殖をやめ死滅します.
このシステムは多くの細胞が正常で少数の細胞がアポトーシスを起こす場合には有効です.
しかし,体全体の細胞の染色体が破壊されたらどうなるか・・・・
そう,体全体の細胞が死滅していくのです.
ここまで多くの放射線を被ってしまったJOCの犠牲者は稀なケースですが
放射線を一度に多く浴びることにより,似たような症状が出ます.
特に,増殖の激しい造血幹細胞や腸幹細胞,胚・・・意外と毛根も影響をうけます.
そのため放射線を浴びると一時的な嘔吐感や白血球やリンパ球の現象,脱毛などの症状がでます.
ただ,これらの症状は正常な生理作用であり時間が経てば元に戻ります.
一度に放射線を浴びて重篤な症状になるのは稀です(臨界現場の近くに居合わすなど)
故に,一般人が外部被ばくによる急性放射線障害を気にする必要全くありません.
内部被曝についてはまた書こうかと思います.

5.放射線にまつわる単位
順番が謎ですが今更単位の話です.
放射線の単位にはたくさんありますが,市民権を得たと思われる単位は
[Gy]グレイ[Sv]シーベルト[Bq]ベクレル
があると思います.
これらは互換の関係にあるかと思われがちなのですが,そうでもありません.
まず,[Gy]は放射線の種類に関わらず放射線のエネルギー量を示す値になり
この単位は物理や医療の世界で一般的に用いられる放射線の単位となります.
しかし,放射線にはいくつか種類がありましたね,
放射線によって人体に与える影響も異なります,それを考慮した単位が[Sv]となります.
いわば[Sv]は人体への影響に特化した単位でしょう.
最後に[Bq]になりますが,これは少し変わってます.
1秒間にいくつの核種が崩壊を起こすかという単位であり,これだけ時間[t]が次元に含まれます.
1[Bq]ならば一秒間に一つの核種が崩壊しています.
放射線はこの崩壊時に放射されます.

きっといまいちわからないと思います.
適切な表現かどうかわかりませんが,環境系の学生らしくCO(2)の排出と電気の関係で示してます.
電気を使うとCO(2)が出てくると言われてますね.
でも,このCO(2)の量は何で発電されたかによって異なります.
火力・水力・原子力・その他・・・・

こうして考えたとき,発電所の出力を[Bq]使う電気量を[Gy]で排出するCO(2)を[Sv]とすれば
ちょうどいい例えになると思います.
少々苦しいですが・・・

6.放射性物質の違いによる放射線
SNSなどで「プルトニウムが一番危険」「半減期が長いほど危険度が高い」
「外部被ばくでも放射性物質により異なる」などの記述が気になります.
これらは正しくもあり間違ってもいます.

まず正しい部分として,プルトニウムが危険なのはその放射線の質ではなくて
肺に入ってしまうと排出できない事に問題があります.
そのため,プルトニウムが危険というより肺に放射性物質物質がはいる事が危険なのです.
またヨウ素などは血中に溶解し尿として排出されますがプルトニウムがそのような作用を持ってない事も
原因になりそうです.

半減期が長いほど危険度が高いというのは一概には言えません.
なぜならば,半減期が長いという事はその核種の出す放射線量は少なく長く続く意味で.
半減期が長いほど放射線量は少ないと言えます.

放射性物質による放射線の違いについては微妙です.
たしかにここで問題となるα崩壊によるα線(ヘリウム原子核)とβ崩壊による電子線です.
これらは確かに放射性物質により異なりますが,この2種類しかなく.特に何々が危険な放射線を出す
という事はありません.
この時,便利な概念として崩壊系列があり,一つの核種が放射線複数回だしながら
物質を変化していくことです.
一例を上げれば例えばPu239(プルトニウム239)はアクチニウム系列に属し
プルトニウム239→ウラン235→トリウム231→プロトアクチニウム231→・・・・→鉛207
と変化していきます.
放射線が崩壊毎に出されることから,一つのPu原子から12回も放射線が出ると言えます.
一見危険そうに思いますが,プルトニウム239の半減期が2万4千年から,そんな心配をする必要はなさそうですね.


途中で息入れ感も否めませんが
その3も書けたら書こうかと思います